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2025年12月10日
タイトルを見てニヤッとされた方は、絶対にベテランのタイヤマンです。
先ずは「PCD」とは何ぞや?です。
タイヤ業界でPCDと言えば、ホイールの穴の距離の事です。Pitch Circle Diameterの略なんですね。
ホイールの取り付け穴を結んで円とした場合の直径の事なんです。
このPCDなかなかに曲者です。
同じメーカーの同じ車種でも、モデルチェンジ、ひどい場合はマイナーチェンジでシレっと変わっていたりします。
代表例で言うと、長くPCD100を保って来ていた「スバル」ですが、殆どの車両が令和に入ってゴソッと114,3になってしまったのです。
「え~今のホイール新車には使えんのぉ?」何人のお客様からこの嘆きを聞かされた事でしょう。
車両が重たくなり、それに合わせた馬力の強化等で車軸の中心「ハブベアリング」を拡大する為には仕方なかったのでしょう。(100㎜の直径より114,3の方が、当然ながら円内の面積が大きいですから、その分ベアリングも拡大出来ます)
私が以前乗っていた「アルファロメオ」も、昔はPCD98mmだったのが今や110mmへと拡大されました。
こうして2,000㏄クラス以上の車両はPCDが大きくなって行くのですね。
では写真を見て頂きましょう。
これは5穴(5本のボルト&ナットで止めるタイプ)の100㎜と114,3㎜の両方に使えるタイプです。
左下の穴だけは共通ですが、その他の穴の位置が微妙にズレているのが分かりますね。
では別のホイール
これは軽自動車サイズのスチール(鉄)ホイールです。
なんと!12個もの穴が開いてます。
これは21世紀になるまで軽自動車メーカーがそれぞれのPCDを設定していた弊害への対応策なのです。
一番中央に近い100㎜(一番茶いろく錆びている)はホンダ、その左手に110㎜のダイハツ、そして一番中央から離れている(100㎜の右隣り)はスズキの114,3と、どのメーカーの車にも使えるように12個もの穴を開けているのです。
それが、初代ワゴンRにターボが出た位からスズキが100㎜になって行き、ダイハツも最後まで110㎜を使っていた車両がありましたが、平成も二桁になる頃には100㎜となりました。
そうなんです。このマルチPCDホイールは、軽自動車メーカーが自己をアピールしてた頃の名残なのです。
ですから、アルミホイールでも軽自動車用はマルチPCDホイールが遅くまで設定されていました。
それが全てのメーカーが100㎜になったことで無くなり、今使っている方は別の問題に悩まされています。
それはホイールカバー破損問題です。
冬タイヤ用として購入された方が多く、毎年2回は絶対にカバーのつけ外しをします。
年月と共にプラスティック部が劣化し、取り付けの為の爪が折れるのです。
物によっては5年程度から折れ始めるのですが、軽自動車を乗り続けるかたは新車両にもホイールはそのまま持って行けるケースが多い為、10年以上使う方も少なくありません。
またホイールも生産終了から数年経つと、部品の供給も無くなる為、下の画像の様な状態で走っている車も増えて来ます。
マルチPCD。今や新品ではスチールホイールの一部だけしか残っていませんが、時代を作った寵児でもあったのです。