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スタッフ日記

アライメント道・・・⑦

2018年12月18日

92年の日本一決定戦では、スタート時の接触により途中リタイアを喫し悔し涙を飲んでしまい、悔いだけが残る筑波サーキット参戦となってしまいました。

そんな失意の私の元に、「来年、ウチのワークス・ドライバーとしてマーチレースに出ない?」と、エンジンのO/Hを頼んだショップから声がかかりました。

93年は全5戦の3戦目からの参加となりましたが、5位、3位、そして雨中のごぼう抜き優勝!でシリーズ4位を獲得したのです。

最初は遠慮がちで、チームのセットのまま乗っていたのですが、どうも自分好みとは違う動きで、「筑波でトップを獲るにはこのセットじゃないとダメなのかなぁ?」と思っていたのですが、最終戦を前に自分好みでトライしてみようと、チームにセッティング変更を願い出ました。

先ずは、フロントのスプリングをそれまでの10㎏/㎜から12㎏/㎜に変更。フロントトゥを0㎜からトーアウト2㎜に。

そしてリアのブレーキを、ノーマル(?)からエンドレス社の効きの強い物に替えたのです。

このセットで、筑波サーキットのレイアウトに多い、ヘアピンカーブ(1コーナー、第一ヘアピン、第二ヘアピンカーブ)侵入で、リアを滑らせるきっかけを作り、アクセルオンでリアの滑りをコントロール出来るセットにしておき、トゥをアウトにする事で、アクセル・オンでのフロントの逃げを少なくしておく事が可能になります。

晴れた予選では、唯一の高速コーナーである最終コーナーでリアが思う様に流れてくれず5位に終わったのですが、一転雨の決勝ではこのセットがマッチし、5位から次々と先行車を交わし、最終コーナーでトップを奪うと言う、ショップの社長をして「マーチのトップ争いで、あんな抜き方した人初めて見ましたよ」と言う劇的なものでした。

この念願の筑波制覇で、私のレース人生は終わる筈でした・・・

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