店長の日記

ハブボルト・・・考

2016年7月1日

ハブボルト、スタッドボルトとかクリップボルトともいいます。

タイヤ屋としてはクルマの構成部品の中で、最もよく締めたり緩めたりする部分です、タイヤ屋でなくても、整備屋さんも整備のときには必ずと言っていいほど触るところでしょう。

何故こんな部分を考えるか? といいますと、

この部分、車両説明書では油脂類の塗布ダメとなっている場合が多いです。

その理由は、ネジ部や接触部の摩擦抵抗の減少によって規定トルクで締め付けた場合に軸トルク(ハブボルトを引っ張る力)が過大となり、ハブボルトが弾性限度を超えて伸びてしまったり、破断する可能性があること・・・要は規定トルクで締めても、締めすぎになるってことです。

でも・・・新車時ならともかく、今や車歴10年はあたりまえ、サビッ錆のハブボルトやキーキー音が鳴るほど油っ気のないハブボルトもあります。

日産系やスバル、スズキ等はネジが細かいのであまりにひどいと、噛り付き等をおこすこともあります。

そもそも摩擦抵抗が大きすぎて、規定トルクで締めても軸トルクが不足する可能性だってあります。

店長がディーラーメカニックだった頃は先輩から、ネジ部のみに薄~くエンジンオイルを塗っておけって教わりました。

実際それでスムーズにナットが締まり、感覚的にも締まり過ぎって感じはありませんでした。(勿論トラブルもありませんでした)

このあたり、実はカーディーラー、モータース、整備士個人でみんな考え方が違っていて面白いんです。

サビ錆のボルトでも全く何もしない所もあり・・・カッパーグリスやモリブデン系のグリスを塗布する所もあり(主に外車系)・・・エンジンオイルを薄く塗る所もある・・・

塗るべきか、塗らざるべきか、サビたボルトを前に悩む店長にあるとき救世主が現れました。

防錆軸力安定剤!!

その名の通り、サビを防いで軸力を安定させる!!

これこそまさに店長が求めていたモノでした、極端にネジ部の摩擦抵抗を減らすことなく、サビを防ぎ適度に潤滑する。

これなら間違いない、エンジンオイルもグリスも間違ってないと思うけど、これなら大丈夫!!

あースッキリした(笑)

 

※ちなみにテフロン系(55-○やC○C等)のスプレーオイルは絶対ダメです。すばらしく摩擦抵抗を少なくしますので明らかに軸トルク過大となります。←この辺が説明書でNGになっている理由かな?

 

 

 

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