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スタッフ日記

アドブルーの話

2015年11月2日

ドイツの自動車メーカーの「フォルクスワーゲン」社が、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化システムでコンピュータを不正に操作したことで、大事件になっていますが、ディーゼルエンジンの排気ガス浄化について、過去の流れを知っている範囲で話してみようと思います。

従来排気ガスに含まれる人体に有害なチッソ酸化物を取り除くため、国内のディーゼル4社日野、三菱ふそう、イスズ自動車、日産ディーゼルが10年以上前開発にしのぎを削っていたのですが、開発には排気マフラー内でチッソ酸化物を燃焼させる方式が主流だったのを、当時の日産ディーゼルが尿素を使い尿素SCRシステム(にょうそSCRシステム)で排出ガス浄化技術の一つで、ディーゼルエンジンの排気中の窒素酸化物(NOx)を浄化する技術で10年ほど前に「クオン」の名称で大型トラックを発売したのです。続いてこの技術を取り入れたのが当時リコール問題でリコール費用を抱えていた三菱ふそうで、多額の開発費の軽減を計るため相乗りしたようです。しかし、尿素システムを取り入れるには、燃料タンク以外に尿素タンクも必要であり、また尿素を充填する設備が必要となり、ガソリンスタンド、整備工場、運送店などに無償で設置しなければならず、その費用が莫大なものなり、日産ディーゼル、三菱ふそう2社では、高額な設備投資になるため日産ディーゼルが一計を案じ、ドイツ自動車工業会にこの技術を持ち込んで、ISO規格に批准するよう働きかけ特許も無料公開したのです。ドイツ自動車工業会はこれは素晴らしい技術であることを認め、この尿素SCRシステムをISO規格「ブルーテック」として発表したのです。これに伴い使用する尿素を「アドブルー」の名称を使い、これ以外の尿素はエンジントラブルの対象外としたのです。

他のディーゼル2社も、マフラー内燃焼浄化装置の技術的な問題解決にいたらず、現在大型

ディーゼルトラックは「ブルーテック」尿素浄化システムを採用しております。

日本の素晴らしい技術が海外で「ブルーテック」として認められ、日産ディーゼルも大儲けしたと思われたのですが、残念ながら日産ディーゼルは「ボルボ」社の参加にはいり社名も

UDトラックとなり、三菱ふそうはやはりこれまた「ベンツ」の子会社になってしまいました。種を撒いたのが日本で美味しい果実は外国に持っていかれたようです、残念、無念

しかし、これにより儲かっている会社もあるようです、「アドブルー」を製造している、日産化学や三井化学などです、当時日産化学の株価は800円台だったのが今では3000円の大台にのっているようです、、

ちなみにUDトラックのUDとは、むかし日産ディーゼルが製造していたエンジンの型式で

2サイクルディーゼルエンジンでアクセルのレスポンスがよく、高速回転が得意でしたが、いかんせん排気ガスが不完全燃焼のため、真っ黒な煙をマフラーから排出しながら走っていたのを、思い出します。

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