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2012年10月29日
2007年にブリヂストンタイヤはアメリカに本社がある、リトレッドタイヤの世界トップメーカーの
リトレッド㈱を当時のレートで1000億円で買収しました。
当時の世間の評価は「なぜこんなに高額な金額で買収したのか?」がもっぱらでしたが。
いくら、世界のトップメーカーだとしても、すでにブリヂストンや他のタイヤメーカーは
モールド(金型加硫)方式の再生で生産をしていたので、何をいまさらの感じが否めなかったのですが
私の考えは違っていました。
バンダグのリトレッドはリモールド方式で金型を使わず、すでに出来上がったトレッドゴムを貼り付ける方式です。
この方式の利点は、磨り減った台タイヤと別に作ったトレッドゴムを接着剤で密着させるので、
低温で加硫でき、台タイヤの損傷を防ぎ、簡単な設備でリトレッドができるのです。
以前からバンダグ社の高度なリモールド方式の技術力の高さに、興味を持っていたのですが、残念ながら
当時のブリヂストンでは、技術力が無かったと記憶しております。
ダンダグ社のリモールド方式が大活躍をしたのがベトナム戦争です。
軍事物質運搬に欠かせないトラックのタイヤのリトレッドを簡単な設備で戦地で大量生産ができたのです。
では、なぜ1000億円もの高額で買収したのか?
勿論世界トップメーカーである、ブリヂストンの世界戦略が考えられるのですが、少し前に
ニュースでこんな記事がありました。
「いままでにない新しいタイヤの製造技術」
これまではタイヤは金型に入れて、高圧プレスしてタイヤを造っていたのですが、台の部分と
トレッドの部分を別々に造り、後に張り合わせ製品にする新しい技術ですが、これにより
転がり抵抗が19%も軽減できる技術です。
個人的な考えですが、ブリヂストンはバンダグ社を買収する時に、すでにこの新しい製造方法の
転がり抵抗軽減の研究開発を終えていたのではないのかと思われるのです。
そのように考えてみると、バンダグ社の買収総額1000億円は安い買い物ですね。
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