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スタッフ日記

青い瞳 白い指

2009年11月16日

豪華なアームチィアーのような椅子で横たわっている。

座り心地が良く、思わず深い眠りに陥りそうだ、こんなにも安らぐのは何年ぶりだろうか。

私の傍らに、うら若い女性がいる、年のころは19~20才ぐらいだろうか、

コップになにやら、液体を注いでいる、それは媚薬だろうかそれとも、心の痛みを覚醒させてくれるのか、

豊潤な体躯、青い瞳、蝋燭のように白く細い指、

老いぼれた私にはなんという、至福な瞬間だろう。

青い瞳の女性は古来より、素直で心が綺麗な人が多いと聞く、、、

若い女性に間近で接するのは何年ぶりだろうか、不覚にも私の掌は汗で滲んでいる。

やがて彼女はその細い指で、私の唇をやさしく開けて、上半身を私に預けてきた

そうだ   覚悟をきめた私は眼を静かに閉じた。

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キィー~   ゴリゴリ  ウィ~ン

「先生、、、痛い、、、」

「そうか、痛むか長いことほっといたから、虫歯がだいぶ進行しているで、、、」

「君、藤本さんの口をバキュームで吸ってあげて」

ゴ~ゴ~

先生に命じられた歯科助手の若い女性が、施術用の白いゴム手袋をつけて、

おれ達おとうさんの、口の中を洗浄してくれた。

事務的に語りかけて、

「はい、藤本さんコップの水でウガイをしてください 」

ガラガラガラ、 、、、、、ベチャ  ガラガラ、、、、ペッ

この歯医者さんとは、先代の先生から診て貰っているので、かれこれ40年ぐらいになるかな

完全に治療してもらっても、2,3年ぐらいたつと、歯がぐらついてくる

その度に、歯が1本ほど抜歯されて、もう残りの歯が何本も残っていない、全て無くなるのは何年先かな~

                            、

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