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2008年6月30日
「高速道路で、フロントタイヤがバーストして、死にかけたわ」
「このタイヤ、どないなってるんや不良品ちゃうか」
「メーカーに、調べてもろてくれるか」
「なんで、こんなにバラバラになるんや、、おかしいやないか」
朝一番にお客さんが店に、血相かえて怒鳴りこんできた。
取り付けたタイヤサイズは積載量3Tクラスの
215/70R17.5 123/121J R225
製造年月日は
2Y13206
2006年の32週製造で残溝が50%程度残っている。
お客さんは、高速道路を走っていて、急激にフロントタイヤの空気が抜けて、ハンドルをとられて車を安全な場所に止めるのに必死になったことでしょう。
「バースト」の原因はその時はわからなくても、とにかく販売店に苦情を言ってきたと察するのですが、ともかく事故にいたらずよかったです。
「○○さん、怪我はありませんでしたか」
「大事故にならなくて、よかったですね」
「公的な第3者機関がありますので調べてもらって、報告してもらいますので、結果が
でるまで、待ってもらえますか」
「とりあえず、今私が理解できる範囲で、見てみます、、、」
お客さんの了解をもらって、タイヤをホイールから、取り外して「バースト」の原因を突き止めようと、調べてみた。トレッドやインナーライナーを見たが、異物も刺さっている気配もなく、私の中途半端な知識で誤解をあたえてはいけないので、JATMAに出して判定を仰ごうかなと思っていたら、なんと、外面修理の痕が見つかった、それもショルダー部である。
よく見るとプラグを差込みやすいようにドリルで、穴を開けていた。
まさかトラック用タイヤでショルダー部に外面修理をしているとは、思いもかけなかった。
「走っているとき、大きな破裂音はしましたか」
「いいや、ブチッという音がしてから、空気が抜けたんや」
「最近、どこかでパンク修理しました?」
「ガソリンスタンドで2ヶ月ほど前に、直してもろたで」
「なにか、刺さってました」
「10センチぐらいの、ボルトが刺さっていたわ」
今回の「バースト」の原因は私の個人的見解で、判断すれば
1 タイヤが円周上に裂けているのは、空気圧0の状態で安全に停車しようとして
引きずったためである。
2 外面修理で作業をしたため、引きずり痕の見落とし。
3 ドリルで穴を開けたために、スチールコードを切断してしまった。
4 ボルトが突き刺さりタイヤ内面を傷つけてしまった。
2~4のいずれかが、今回の「バースト」につながったものと、思えます。
走行中にブチッという音がしたと、証言しているので、おそらくスチールコードが切れた音がしたのでしょう。
以上の個人的な所見をお客さんに、話したところ納得してもらい、JATMAに鑑定依頼はしなくてもいいとの、返事をもらいました。
「やっぱり、ガソリンスタンドで修理せずに、専門店で直してもらえばよかったな~」
新しいタイヤを装着して、帰り際にお客さんが言われた言葉です。
べつにどこでパンク修理をしてもいいのですが、修理をするからには、安易な修理をせずに
マニュアル通りの作業手順で、やってほしいものであります。
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